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サンクトペテルブルグ室内合奏団

公式情報

名曲でめぐる弦楽器の世界

2017年12月10日()

東京オペラシティ コンサートホール東京都

http://www.koransha.com/orch_chamber/Shiki2017/

サンクトペテルブルグ室内合奏団

 ベートーヴェンの「第九」ほど音楽の力を感じられる交響曲があるだろうか。ドイツの詩人で思想家であったシラーの作品をこよなく愛読していたベートーヴェン。このシラーの詩『歓喜に寄す』に音楽をつけようと思い立ってから完成までに約30年。交響曲の第4楽章に独唱と合唱、すなわち人間の声を入れるというのは当時では他に類を見ない手法であったが、それがベートーヴェンの最高傑作、また古典派音楽の集大成とも言える大作となった。作曲家でありながら聴力を失ったベートーヴェン。運命を受け入れた苦悩の天才によって創られた暗闇と混沌からの輝く希望、そして崇高な“人類愛”。第4楽章でバスによって歌われる最初の歌詞はシラーではなくベートーヴェンによって書かれている。<おお友よ、このような音ではない!もっと心地よい、もっと喜びに満ちあふれた歌を歌おうではないか> そしてシラーの詩の独唱を始め、やがて合唱団、ソリスト達へと引き継がれる。荘厳でドラマティックに歌い上げられる圧巻の“歓喜の歌”。晴れやかな感動で一年を締めくくることができるだろう。
 そしてシューベルトの交響曲第7番「未完成」。通常交響曲は4楽章で構成されるが、この作品は2楽章までしかないため「未完成」と呼ばれている。シューベルトの音楽の極意はメロディーの豊かさと転調の妙にある。後に“歌曲の王”と呼ばれる彼の交響曲らしく、美しく息の長いメロディーとその一つのメロディーの中で何度も転調しては戻る不安に揺らぐハーモニーが絶妙だ。ベートーヴェンとシューベルトは共にウィーンで同時代に活躍した。ベートーヴェンは当時から偉大な作曲家であったがシューベルトは友人達に支えられて活動する貧しい作曲家。シューベルトは学生の頃からベートーヴェンの音楽を敬愛し続け、ベートーヴェンの死の翌年、後を追うように亡くなった。「未完成」と「第九」は2人の晩年の最高傑作であり、「未完成」の方が約1年ほど早く作曲された。美しいメロディーから成るロマン派音楽の幕開けを感じさせる「未完成」、古典派音楽の終わりを壮大なスケールで告げる「第九」。まさに一年の終わりにふさわしい曲だ。名門歌劇場のオーケストラが奏でる重厚かつ躍動感ある演奏と堂々たるソリスト、合唱団の熱い演奏をお楽しみに。

プログラム


J.S.バッハ 2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043
モーツァルト ディヴェルティメント ヘ長調 K.138
モーツァルト アイネ・クライネ・ナハトムジーク ト長調K.525
グリーグ ホルベアの時代より Op.40
チャイコフスキー エレジー (弦楽セレナーデ 第3楽章)
芥川也寸志 弦楽のための三楽章「トリプティーク」

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