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コンサートについて
19世紀になってオーケストラ音楽はドイツ・オーストリアで爆発的な発展を遂げ、特に交響曲などは「ドイツ的」な音楽としてみなされようになった。19世紀も後半に入ると他の民族の作曲家からも優れたオーケストラ作品が頻出するようになるが、その際、「民族性」というものをそれぞれの作曲家がどのように扱ったか。
交響曲という「ドイツ的」な形式の中に民族性を織り込もうとしたドヴォルザーク。ブラームス的=ドイツ的な構築性が目立つ7番とは打って変わってボヘミア的ともいえる美しい旋律が印象的な交響曲第8番。メキシコの作曲家、レブエルタスの《センセマヤ》は近年になって演奏されることが多くなった。短い中に充満する土俗性。そしてバルトーク。東欧の民俗音楽を採集しそのエッセンスを自らの音楽に取り入れたバルトークの総決算ともいえる《管弦楽のための協奏曲》は、その抽象的な音楽の向こうにうっすらとバルトークが採取した農民たちの音楽が聞こえてくる。
三者三様の民族性。その民族性がオーケストラという表現形式とどのような「折り合い」をつけていったのか、金子建志の鋭利な分析がえぐり出す。スリリングな演奏会となるであろう。
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