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オペラ ザ・ラストクイーン

公式情報

朝鮮王朝最後の皇太子妃

2022年03月23日() 18:30 開演

日本橋公会堂東京都

http://lastqueen.net/

ソプラノ: 田月仙(チョン・ウォルソン) / 舞踊: 相沢康平 / 舞踊: 金姫玉韓国伝統舞踊団 / 田中由佳 / 星野律子 / 石山陽太郎 / 相原 嵩 / 小寺里枝 / 富永峻 / 若狭直人 / 村山良介 / 孫東勲

山崎 哲氏(劇作家・演出家)の解説
2021年10月、日本橋劇場で上演された田月仙(チョン・ウォルソン)プロデュース・オペラ『ザ・ラストクイーン』を観た。ほんとうに筆舌に尽くしがたいほどの素晴らしいステージだった、わたしが何十年ぶりかに観る。
物語は…、朝鮮統治下時代、皇族の日本人・梨本宮方子(まさこ=李方子)は、朝鮮王朝の最後の皇太子・李垠(イ・ウン)と「政略結婚」させられるのだが、時代の激しい波に晒されながらも、最後まで皇太子への愛と、朝鮮と日本という二つの祖国への愛を貫き、最後は「韓国の母」と呼ばれながら韓国で生涯を閉じるというもので、時代の大きな波とともにその李方子と李垠を描いていく構成は、私にチェン・カイコー監督の名作『さらば、わが愛/覇王別姫』を思い出させたが、出来栄えもまったくあの名作に勝るとも劣らぬものだったのだ。
なにより驚いたのは、その表現手法だった。通常のオペラと違い、時代(物語)の流れを、ナレーションと、舞台後方のスクリーンに映し出される当時の写真、そして上手に立つコーラス隊で描きだし、田月仙(チョン・ウォルソン)がその時どきの方子の心をひとり表現していくのである。時にダンサーが踊りで演じる李垠を相手に。そしてそれらすべてを下手に位置した楽器隊がなべていく…。
ある意味シンプルで、しかも徹底したその手法は、芝居をやっている私などからすると、オペラを超えて、あらゆる表現の起源と言われている「演劇」そのもので、その演劇の起源を垣間見せられているような衝撃と感動を受けた。
およそ80分ほどの上演時間で、私はその始まりから終わりまでをほとんど「一息」で観ている感じだったのだが…(中略)…物語もさることながら、ウォルソンさんとコーラス隊との、科白まがいのものを含めた歌のやりとり(重なり)と、心の変化などが、まさに「劇的」というしかないほど凄まじく、そして素晴らしく、美しかったのである。それこそ比類がないほど。
舞台が終わったあと、私は暗転の中で涙を拭わざるを得なかった。…余計なことに心を奪われることなど一切なく、ただステージだけを観ていればよかったからだ。劇の進行だけに心を奪われていたからだ。その体験が何十年ぶりだったのだと言ってもよい。…

オペラ ザ・ラストクイーン

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コンサートについて

この作品は、日本の皇族に生まれ、後の昭和天皇のお后候補とも言われたが、予期せぬ運命により朝鮮王朝(李王家)の皇太子の元へ嫁いだ李方子(りまさこ/イ・バンジャ=1901年〜1989年)をモデルとしたモノオペラである。日本と朝鮮の狭間で翻弄されながらも押し寄せる波乱に立ち向かい皇太子・李垠との純愛を貫いた。李方子は日本と韓国の「和」を求め一生を捧げた。2015年、日韓国交50周年特別企画として新国立劇場で初演。2016年、文化庁芸術祭参加公演として再演され感動と衝撃をもたらした。2019年3月、李方子妃没後30年特別公演として大阪で上演、300人以上のキャンセル待ちとなった。2021年東京アンコール公演。満員のため追加公演。
予告映像
https://youtu.be/zuTxolTcZcM
ホームページ(日本語)
http://lastqueen.net/2about.html

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ウィーン国立歌劇場 ばらの騎士

2025年10月26日(日)14:00公演 東京文化会館 大ホール ウィーン国立歌劇場2025年日本公演 ばらの騎士 作曲:R.シュトラウス 演出:オットー・シェンク 装置:ルドルフ・ハインリッヒ 衣裳:エルニ・クニーペルト 指揮:フィリップ・ジョルダン 陸軍元帥ヴェルテンベルク侯爵夫人:カミラ・ニールンド オックス男爵:ピーター・ローズ オクタヴィアン:サマンサ・ハンキー ファーニナル:アドリアン・エレート ゾフィー:カタリナ・コンラディ 東京文化会館の修繕前の最後の大型公演。 9年ぶりのウィーン国立歌劇場の引越公演。去年のロイヤルオペラの引越公演(トゥーランドット)があまりにも良すぎて、その時に入っていたチラシを見てから1年待ったウィーン国立。 フィガロの結婚から2週間あけての千秋楽のばらの騎士。楽しみにし過ぎてしまった。 結論から言えば、素晴らし過ぎた。 ①演出 今年の年始に亡くなられた演出のオットー・シェンクの演出をここで見られるとは。YouTubeで何度も見た伝説の94年カルロス・クライバー指揮/ウィーン国立歌劇場のばらの騎士演出もしていた、ウィーン国立歌劇場にとって欠かせないシェンクの演出でばらの騎士を見られた幸せ。 文句なしの演出。 2週間前のフィガロの結婚の演出と舞台がモダンだったのに若干のガッカリ感を抱えたままで、本日を迎え、まぁこれこそがワシの求めていたもの、という感じで。 第一幕の寝室も、第二幕のファーニナル家も、第三幕の居酒屋も、美術はゴージャスで堪らない。 圧巻は、第二幕のオクタビアンが薔薇を提示しているシーン。流石にかっこいいというか。騎士の衣装もカツラも圧倒的にカッコいい。ワシ的には、宝塚は嫌いだし、男装女子というものを受け入れられないのだが、オクタビアンのあまりのかっこよさにちょっと宗旨替えしそうなくらい(笑) オックス男爵は全般的に、いい仕事しすぎというか。助平でガサツなおっさんだけど、ユーモラスでチャーミングというか。 ②歌と演技 今回、改めてオペラグラスの重要性を再確認した。 前回はレンタルした8倍のオペラグラスを使っても、微妙にボヤッとしていたわけだが、今回、バツッと焦点があって、歌い手さんたちの顔や表情、演技の真髄みたいなところに初めて注目することができた気がした。 いやぁスゲェな。 元帥夫人のニールンドは、表情もピカイチだし、背中で語るし、歌が尋常じゃないし、圧倒されてしまいまいたな。一幕の寝室でも、時間の経過を歌い、オクタビアンといずれ別れなければならないという運命を悟ったような切なさを表現し、そして、三幕の居酒屋の三重唱から階段を登って去っていくまで、オクタビアンへの気持ちが残るものの若い二人の気持ちを尊重して、そちらへ誘導していきながらも自分の溢れ出る思いもありつつも、みたいな葛藤をうまく表現してて。たまらんな。無茶苦茶上手い。 オックス男爵のピーター・ローズは、素晴らしかった。バスの声が最高なのに加えて、演技も上手く、多様なシーンで好色さと、憎たらしさと、お茶目さとを出していて素晴らしい。一幕目の登場で粗野な感じと好色な感じを見せつつ、二幕目以降はドライブがかかりまくっていて最高。二幕目で、ゾフィーへのアプローチの酷さったらないが、オクタビアンに剣で刺された後の憎たらしい演技もいいし、三幕目でオクタビアン演じるマリアンデルを酔っ払って口説くとこのワルツなど素晴らしく。 そして、オクタビアンのサマンサ・ハンキー。一幕目で、夫人と戯れているところも良かったが、二幕目のゾフィーとの二重唱が最高だった。三幕目の三重唱ももちろん良いのだが、個人的な推しは二幕目のゾフィーとの二重唱。薔薇を届けに来た使者の役割のはずが花嫁に惚れるという、冷静に考えると頭おかしい設定だが、この二重唱は、若さゆえのストレートフォワードな愛を歌っており、控えめに言って最高。 ゾフィーのコンラディは、フィガロでも代役で出ていて、無茶苦茶上手かったが、今回も最高。 ③オケ ウィーンフィルのばらの騎士は柔らかくて甘いよね。 シェンクの演出する世界観をサポートする甘くて切ない音色で、とてつもない実力を改めて感じた。 去年の大阪でのマーラー5番は正直テンポ感が遅過ぎて全くノれなかったのだが、やはりウィーンはオペラをサポートしてナンボみたいなところがある。歌と劇と演出の世界観が先にあるので、過度にノれないテンポ感になることは無く、柔らかくて甘い音色に浸ることができる。 夢見心地というか。 11月のウィーンフィルが楽しみではある。 ④オペラ飯 上野でウィーンの風を堪能したあとは、やはりオーストリア料理を食いたくはなる。 残念ながら、千秋楽の日曜日はオーストリア料理の名店が軒並み閉まっており、とりあえずウィーンのカフェ・ラントマンの唯一の海外支店へと。 上野から若干遠かったが、非常に良いカフェだった。 ビルの中のカフェにすぎなのだが、中に入れば、落ち着いたエレガントなカフェという感じ。 牛肉のグーラッシュスープも、ウィーン風のターフェルシュピッツも、普通に美味かった。 ⑤まとめ 演出とか歌手の表情とか、そういうのに興味を持ち始めてきていて、オペラの沼に少しずつハマっている気もする。 まぁ、死ぬまでに、ウィーン国立歌劇場とミラノ・スカラ座とバイロイト祝祭は行かないと行かんと思っとる。 頑張って金稼げ、かも知らんな。

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tshiina

tshiina

2025年10月27日 01:27

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