林光や萩京子、寺嶋陸也が作曲した日本語のオペラを全国で上演しているオペラシアターこんにゃく座のメンバーによる、歌とピアノのコンサート。原語でなくともともだちになれる、と林光の言葉通り、歌い手自らのことばでドイツ音楽を表現し、春のよろこびを謳う。たっぷり詩と音楽の世界を味わっていただくため、まずイタリア歌曲と日本歌曲の重唱やソロをプログラミング。そのあと2部として、ロマン派の音楽にむかうまでの音楽の歴史を理解できるよう古典派後期からシューマンとも交流があった作曲家の楽曲で構成。ベートーヴェンやシューベルト、メンデルスゾーンの歌曲と、ショパンのピアノソロを交え、またドイツ語の詩が音楽と織りなす美しさを聴いていただくためあえて、原語(ドイツ語)で演奏する。
そしてメインとなる3部は、シューマンが音楽ドイツ・ロマン派の作曲家 ロベルト・シューマンが、夫人でありピアニストのクララを思いながら書いた「美しい5月に」から始まる珠玉の歌曲集「詩人の恋」と「女の愛と生涯」を交錯させながら、ロベルトとクララが会話をしているような構成をとり、また原語であるドイツ語ではなく、いまの時代にも伝わるよう歌い手オリジナルによる日本語訳詞で演奏する。
ロマン派時代まっただなかにいた作曲家ロベルト・シューマンと、彼の音楽の源ともいえる夫人でピアニストのクララの物語を通じて、クラシック音楽を「聴く」だけではなく、全身でぬくもりを感じ、舞台のイメージや衣装から「見て」楽しみ、オリジナル日本語訳詞により言葉から感じることができる五感フル活用なコンサートを目指している。そのため、演者と聴衆がなるだけ近い距離で体験できる舞台の使い方を模索している。
プログラム
トスティ:4月に
林光:挿木をする
ブラームス:無益なセレナーデ
●原語で聴く古典派後期からロマン派の音楽史●
シューベルト:春の気配
ショパン:ノクターン
メンデルスゾーン:秋のうた
休憩 15分(転換)
●ロベルトとクララの物語
シューマン:女の愛と生涯、詩人の恋(それぞれ歌い手自ら訳した詩による)
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