同シリーズは18世紀以降、フランスで活躍したヴァイオリン奏者、そして彼らが残した作品を通して、フランスのヴァイオリン音楽に親しもうというものです。「L'Art du Violon ― ヴァイオリンの技巧 」は、主にヴァイオリンの教則本のタイトルに用いられる言葉ですが、18世紀パリでは、才たけるヴァイオリン奏者らによって数多くのヴァイオリン作品集と教則本が出版されました。また、ヨーロッパで最初の国立音楽院で組織的な音楽教育が始められ、いち早くクラシカル、ロマン派時代の楽器やヴァイオリン演奏法を確立していったのもフランスでした。人々が世代を超えてヴァイオリンという楽器とその音楽の真髄を求め、変遷をとげていく様を時代を行き来しつつも皆様とご一緒に楽しめたらと思います。
第1回は「趣味の融合」と題し、18世紀前半を代表するフランスのヴァイオリン奏者、ジャン=マリ・ルクレールの作品を中心に、1720-30年代にパリで出版されたヴァイオリン・ソナタを取り上げます。 フランスのヴァイオリン・ソナタの歴史は「ソナタ」という音楽がもともとイタリア発祥であることからもわかるように、イタリアとフランス音楽の融合の歴史ともいえ、イタリア音楽とフランス趣味をいかに融合させるか?というところに作曲家や奏者の好みがよく現れるように思います。ルクレールの4冊からなるヴァイオリンソナタ集は「バロック・ヴァイオリン音楽の代表」とよく言われますが、彼自身はイタリアでヴァイオリンや作曲を学んでいたこともあり、同時代のフランスの音楽作品群の中では「フランスらしい」というよりも「後期イタリア音楽とフランス趣味をじつに見事に融合した音楽」といえるでしょう。ではこの時代、フランスのヴァイオリン奏者たちは、どのような塩梅の音楽を奏で慈しんだのでしょうか。耳を傾けていただければ幸いです。
【Program】
・J. -M. ルクレール
ヴァイオリン・ソナタ集
第1巻 Op. 1より 第1番 イ短調
第3巻 Op. 5より 第8番 ニ長調
・J. B. ソミス
ヴァイオリン・ソナタ Op. 6- 4 ハ長調
・J.-J. C. de モンドンヴィル
クラヴサン曲集 Op. 3-1 ソナタ ト短調
(ヴァイオリン伴奏つき)
・J. オベール
ヴァイオリン・ソナタ集 Op. 3- 8 ニ短調
他
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