METオペラ ライブビューイング 〜ラ・ボエーム〜
2025年12月27日(土) 14:00開催
演目:ラ・ボエーム
音楽:ジャコモ・プッチーニ
指揮:ケリー=リン・ウィルソン
オケ:メトロポリタン歌劇場管弦楽団
演出:フランコ・ゼフィレッリ
出演:ミミ:ジュリアナ・グリゴリアン
ロドルフォ:フレディ・デ・トマーゾ
ムゼッタ:ハイディ・ストーバー
マルチェッロ:ルーカス・ミーチェム
ショナール:ショーン・マイケル・プラム
コルリーネ:パク・ジョンミン
ブノア:ドナルド・マックスウェル
①概要
METのオペラを映画館で見られる素晴らしい取り組み。
配給は松竹で、基本的には松竹系の映画館(Movixとかピカデリーとか)と、松竹から配給を受けている東急系の映画館(109シネマズとか)や木下グループ系の映画館(kino cinemaとか)で見られるようになってる。
本編は、2025年11月8日の上演のラ・ボエームの映像であり、配給期間は2025年12月12日~12月18日ということだった。
きっかけは、ボイトレの先生が非常に良かった、と絶賛していたからなのだが、ワシがこれを認知した時点では既に配給自体は終わっていて、諦めたところだったが、松竹直系の東劇だけはまだ上映していたので、慌てて行ってきた。
正直、オペラは生だろう、という先入観しかなかったので、半信半疑みたいなところがあり、金額的にも映画の金額なので、そんなに懐に痛くないし、という気軽な気持ちでの訪問。
②METオペラ
METは、多分15年くらい前、リンカーンセンターのオペラハウスまで魔笛を見に行ったのと、多分白鳥だったと思うけどバレエを見に行ったことがあるが、正直外観内装含めてオペラハウスの記憶が全くなかった。
映像で確認して、改めて、METってこんな良いオペラハウスだったっけか、と感じた次第。
どうにも魔笛を英語上演だった記憶しかなくて、印象がネガティブだったんだよ。
ROHの方がいいという先入観もあった。
③感想
予想外に非常に良かった。
タイムテーブル的に、間にインタビューやら次回作の宣伝やらアメリカらしく寄付の勧誘やら色々が入っていて、最初は、余計なもの含まず、オペラの映像だけ見せてくれればいいのに、という印象から入ったが、マジで良かった。
オペラ自体が、そもそも幕で切れて、休憩挟むものなので、実際始まってみれば、正直、インタビューやら次回作の宣伝やらは全く気にならなかった。むしろ故ぜフィレレッリのインタビューも含まれていて演出に込めた思いやイメージも伺えたし、こういった合いの手のインタビュー集の必要説に立つくらい。
ラ・ボエームは、初心者に勧めるオペラの最初の方に挙げられる演目だったりするが、個人的には椿姫かカルメンじゃね、くらいに思っとったけど、改めて見てみると確かにラ・ボエームかもなぁ、と思つた。
フランコ・ゼフィレッリの伝統的演出でラ・ボエームをやるのが、何より素晴らしかった。
とかく、最近は、新解釈とか新演出とかといったしょうもない形で原作を貶める感じの演出が見られる中で、こういう伝統的な演出は安心感がある。
特に、2幕のカフェ・モミュスの賑わいは圧巻。
1幕4幕の屋根裏部屋の狭さ/登場人物の少なさとの対比で、2幕の舞台の賑わい、広さに圧倒される。実際に、動く生きたロバも生きた馬に引かれる馬車も出てきて、こういう派手な感じがMETならでは、と思うし、楽しい。
主軸となるミミとルドルフォ、マルチェッロはみんな素晴らしいわけだが、ミミが圧倒的に美しく、また歌が上手かった。4幕終わりのシーンでの切ない歌なんかはたまらんでしたな。
しかし、何よりムゼッタがやばかった。他の歌い手は比較的若手だったと思うけど、ムゼッタはベテラン配置で、ここへの思い入れが伺えるところ。ムゼッタの登場時間は実はそんな多くないんだが、男を振り回すヤバめな女という外観と内実超いいやつ、みたいな外観と内心との二面性を相当うまく出していたと思われ。
まぁ、METオペラライブビューイングはぜひまた行こうと思つた。
とりあえず最低限、トリスタンとエフゲニー・オネーギンは行こうかなと。
リヒャルト・シュトラウスはばらの騎士が大好きだが、アラベッラは言われてみればよく知らないというか。気になる。
まぁ、いかんせん、所詮映画館なので、そんなしないから、見に行こうかなぁ、と。
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