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コンサートについて
宗教音楽の枠を超えた劇的な旋律の中に哀愁と静寂の美が共存するヴェルディの「レクイエム」は、小林研一郎先生にとっても武蔵野合唱団にとっても“特別な”曲です。今回の演奏会から45年を遡る1973年、当団第7回定期演奏会において、小林先生は初めてプロオーケストラを指揮し、この曲を演奏しました。後に世界的な指揮者となる先生のデビューを飾り、その後も数多くの名演を残している曲です。そして武蔵野合唱団にとって、圧倒的な音量と、凄みすら感じさせるピアニッシモを要求するこの曲は、その後の“武蔵野らしさ”を形づくるうえでも重要な、里程標とも言うべき一曲になりました。以来、小林先生と武蔵野合唱団との、ヴェルディ「レクイエム」の演奏は10回を数えます。日本フィルとは、日本フィル定期演奏会への出演を含めて3回、小林先生が常任指揮者、音楽総監督等を務めたハンガリー国立フィルの来日公演でも3回演奏しています。指揮者と合唱団が共に、「ここぞ!」という時には、この曲がプログラムを飾ってきました。そして、それらの演奏のたび、私たちは小林先生によって新しいヴェルディ「レクイエム」の世界へ誘われ、又、“武蔵野らしさ” を再考し、団は進化を続けてきました。当合唱団にとっては、自らを顧みると同時に新しい“武蔵野らしさ”に挑戦できる曲なのです。
今回は第50回定期という節目の演奏会となります。これまでに当団の演奏会に足をお運びいただいた皆さんも、最高のソリスト、オーケストラ、ホールで、“小林研一郎×武蔵野合唱団”がお届けする新しいヴェルディ「レクイエム」をお楽しみ下さい。
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