エプタザールセレクトコンサート第71回　吉江忠男＆平井千絵

84歳の名バリトン・吉江忠男
ドイツの名門歌劇場の第一バリトンを務め、カレーラスやパバロッティなど錚々たる歌手と共演するなど豊富な経験を積み、帰国後は故郷・信州でじっくりと音楽と向き合い、奥義を追求してきたからこその味わい深い音楽を、年を重ねても瑞々しい美しい声で歌いあげます。

吉江忠男の音楽と人となりを敬愛するフォルテピアノの名手・平井千絵
オランダでフォルテピアノの研鑽を積み、欧州各地で活発な活動を展開し、帰国後は数少ないフォルテピアノのスペシャリストとして活躍。その豊かな音楽性が共演者からも高く評価されています。

その二人がこじんまりとした親密な空間ながらに響きに定評のあるエプタザールで織り上げるシューベルトの「美しき水車小屋の乙女」の豊かな世界は必ずや心を打つことでしょう。

吉江忠男プロフィール
東京藝術大学声楽科卒業、同大学院修了。大学院在学中に「ドン・ジョヴァンニ」のタイトルロールでデビュー。二期会新人賞、外国人評論家クラブM.B.C.A.J賞を受賞。
1969 年 デトモルト北西ドイツ音楽大学へ留学。1975年より12年間、名門フランクフルト市立歌劇場専属ソロバリトン歌手として活躍。ハンス・ホッター、パヴァロッティ、カレーラスなど錚々たる歌手と共演。またヨーロッパ各地の音楽祭やコンサートで独唱者として幅広く活躍。
1987年ドイツより帰国。故郷・信州を活動拠点とし、地域の音楽文化発展に貢献しつつ、歌の奥義を探求。70歳を超えて共演したピアノの巨匠イェルク・デームスと深い信頼関係が生まれ、デームスの招聘でザルツブルク・ミラベル宮殿においてリサイタル共演。84歳を迎えた現在、益々深く豊かな世界を創り上げ、聴き手の心を魅了し続けている。

平井千絵プロフィール
桐朋学園大学ピアノ科在学中にフォルテピアノに出会う。同大学卒業後、オランダ王立音楽院にてフォルテピアノの研鑽を積み、修士課程を首席で卒業。ブルージュ国際古楽コンクール３位、IYAP国際コンクール(ベルギー)１位などコンクール入賞多数。オランダを拠点に欧州各地で幅広く活動。2012年に帰国し、数少ないフォルテピアノのスペシャリストとして活躍している。
これまで国内外で15 枚のアルバムをリリース。鈴木秀美との「メンデルスゾーン：チェロとピアノのための作品全集」は、第61回文化庁芸術祭優秀賞受賞。