幕開けを飾るのは、クロード・ドビュッシーの出世作《牧神の午後への前奏曲》。マラルメの象徴詩に触発されて生まれたこの作品は、夢幻的で繊細な音の揺らぎに満ち、印象派音楽の幕開けを告げる記念碑的名作です。冒頭のフルートによる牧神のモティーフが幻想の扉を開き、管弦楽の柔らかな対話が響きを織り上げます。
続いては、セルゲイ・プロコフィエフの《ピアノ協奏曲第3番》。躍動的なリズムと透明感のある旋律が絡み合い、独自のユーモアと抒情を備えたこの作品は、彼がパリを拠点とした国際的キャリアの中で大きく育まれたレパートリーの一つでもあります。ソリストには、16歳でパリ国立高等音楽院に主席入学し、すでに数々の国際コンクールで輝かしい成果を収めている若き俊英、丸山凪乃氏を迎えます。当団との共演は第5回定期演奏会以来2度目。前回ラヴェルの《ピアノ協奏曲》で披露された洗練されたフランス的感性は、今なお鮮烈な印象を残しています。今回、さらに成熟を重ねた丸山氏がプロコフィエフの協奏曲にどのような新たな光を当てるのか、どうぞご期待ください。
後半には、ムソルグスキーの組曲《展覧会の絵》をモーリス・ラヴェルによる華麗なオーケストレーションでお届けします。友人ハルトマンの遺作展をもとに描かれたこの組曲は、各曲がまるで絵画を観賞しているかのように多彩な場面を展開します。とりわけラヴェルの手腕によって彩られたオーケストラの響きは、フランス音楽の色彩感をもって原作に新たな命を吹き込みました。冒頭のトランペットによる「プロムナード」は、クラシック音楽を代表する旋律として広く親しまれています。
ドビュッシーの象徴的音詩、パリの空気を纏う協奏曲、そしてラヴェルの管弦楽法が輝く名組曲。いずれもフランスに深く結びついた作品たちを、ポロニア・フィルハーモニー管弦楽団が「緻密な音楽」と「対話」を軸に一つの物語として紡ぎ上げます。
ぜひ会場にて、その瞬間にしか生まれない響きをご堪能ください。
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