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テネラメンテフィルハーモニー管弦楽団
Three Stars Orchestra
オーケストラ・チェルカトーリ 第6回演奏会
2025/11/11
わずか14名からスタートした赤坂ウインドオーケストラ。月2回という少ない練習頻度でありながら、今やトップレベルのアマチュア吹奏楽団へと成長を遂げました。YouTube総再生回数400万回、チャンネル登録者数1万人を誇り、その演奏は多くの人を魅了し続けています。 「年々、誰も予想していなかった楽団に成長している」と西野さんが語る通り、創立以来、向上し続ける赤坂ウインドオーケストラの「奇跡の好循環」の秘密に迫りました。
——まずは、赤坂ウインドオーケストラの特徴について教えてください。
西野少ない練習で向上を目指すというコンセプトの吹奏楽団です。創立以来、演奏水準の向上と意欲的なメンバーの入団が好循環を生み出し続けていることが、最大の強みです。 「ソロパートを演奏できるメンバーが多い」のも特徴です。前回の演奏会では、トランペットソロが2曲、オーボエソロが1曲、ソプラノサックスソロが1曲、テナーサックスソロが1曲で、5名の団員がソリストとして見事な演奏をしました。 プロ奏者にサポートに入っていただくことも多いのですが、初めて来たプロの方からは「皆さんレベルが高いですね!」と驚かれます。 また、創立以来、20代後半から30代前半の女性団員が多いのも特徴の一つです。練習時間を抑えているため、音楽以外のプライベートの時間も確保できることが大きな要因だと思います。 「上手な楽団で演奏したいけれど、練習が多いのは困る」という方は多く、毎年50名以上の入団希望があります。 募集要項には、「リズム、ピッチ、響き、音のスピードを寄せることができる方」といった音楽的な条件を記載しています。
——赤坂ウインドオーケストラの大きな特徴として、選曲のユニークさも挙げられると思うのですが、毎回のコンサートのプログラムはどのように決めているのですか。
西野選曲は指揮者である僕がやっています。音楽的知識と経験豊富な人が、メンバーの個性を活かしたプログラムを組むことで、楽団全体のレベルアップにつながるからです。 プログラムは1〜2人で決める方が、お客様を意識したテーマ性のある選曲ができ、編成バランスも考慮しやすいです。全員で話し合うと時間がかかり、結局はコンセプトが曖昧で中途半端な選曲になりがちです。ただし、「団員が喜ぶ選曲」になるよう、意見をもらうことは当然あります。
——選曲歴も長く、団員の皆様のことをよく把握されているからこそ、魅力的なプログラムを組むことができているんですね。来年4月5日に控えていらっしゃる、次回の定期演奏会についても詳しく教えてください。
◆地中海クルーズ◆イタリア・スペイン・イスラエル・アルジェリア4ヵ国紀行 赤坂ウインドオーケストラ第16回定期演奏会
日時:2026年04月05日(日) 13:30開演
場所:すみだトリフォニーホール 大ホール(東京都)
詳細:https://teket.jp/927/54233
【曲目】 交響詩「ローマの祭り」(レスピーギ)*全曲 春になって、王たちが戦いに出るに及んで (ホルジンガー) バレエ組曲「シバの女王ベルキス」(レスピーギ)*ハイライト 「スペイン組曲」より セビリア、アラゴン(アルベニス / 塩崎美幸) 「アルジェリア組曲」より フランス軍隊行進曲(サン=サーンス) 「リュートのための古風な舞曲とアリア」より(レスピーギ)*木管合奏版 リクディム~4つのイスラエル舞曲~(ヴァンデルロースト)*作曲者による木管合奏版 ほか 【出演者】 吹奏楽:赤坂ウインドオーケストラ マンドリン:藤川亜依里 指揮:西野 宏
西野今回のコンサートは「地中海クルーズ」と題し、イタリア、スペイン、イスラエル、アルジェリアの4か国を旅するプログラムです。サブテーマは「タイムスリップ」で、旧約聖書の時代、古代ローマ帝国、中世、近世、現代と時間旅行も楽しんでもらいたいと思っています。 個人的に注目していただきたいのは、ホルジンガーの『春になって、王たちが戦いに出るに及んで』です。タイムマシンに乗って過去に行くような、不思議な体験ができる曲です。 メインはレスピーギの『ローマの祭り』です。2025年の春に『ローマの噴水』、秋に『ローマの松』を演奏し、『ローマの祭り』はローマ三部作の最後の1曲です。超定番曲ですが、私たちは1年半もの期間、レスピーギの作品に取り組んで来たため、他の楽団とはまた違った演奏ができると思います。同じくレスピーギの人気曲『シバの女王ベルキス』『リュートのための古風な舞曲とアリア』も演奏します。 また、赤坂ウインドの名物の1つ、木管合奏もたっぷりお楽しみいただけます。ヴァンデルローストの『リクディム』は作曲者自身による木管+打楽器版でお届けします。おそらく日本初演になると思います。 今回は赤坂ウインドとしては初めてクラシック音楽のみのコンサートです。前回も非常に高評価をいただきましたが、「クラシック曲のみ」でこれまでのコンサートを上回るコンサートにしたいです。
——西野さんが赤坂ウインドオーケストラを運営する上で心がけていることはありますか。
西野毎回の合奏で、団員に音楽的に満足してもらうことを大切にしています。そのために出席は厳しくしています。パートが欠けると音楽が成り立たず、出席した人の満足度が下がってしまうからです。 また、効率も重視しています。団員の仕事や拘束時間を増やさないよう、お金で解決できることは外注し、話し合いや総会はしません。トレーナーやプロ奏者にサポートに入ってもらうのも団員の満足度向上と効率アップのためです。 練習場所のアクセスの良さも大切にしています。赤坂ウインドオーケストラでは、23区内の駅から徒歩圏内でしか練習を行わないと決めています。
——最後に、コンサートスクウェア読者の方へのメッセージをお願いします。
西野ぜひコンサートで生の赤坂ウインドを聴いてください。美しい音色と繊細な表現、豊かな響きで、指揮者の私でも毎回驚かされる演奏です。本番では、自分が指揮をしているにも関わらず、夢を見ているような気持ちになります。 常時ほぼ全パート団員を募集しています。一緒に美しい音で吹奏楽をやりませんか?
——本日はありがとうございました!
西野わずか14名から始まった楽団が、月2回という制約の中で築き上げた「奇跡の好循環」。それは明確なビジョンと効率的な運営、そして一人ひとりのメンバーを大切にする姿勢から生まれています。 赤坂ウインドオーケストラの物語は、制約があるからこそ生まれる創造性と、継続的な向上心がもたらす無限の可能性を私たちに教えてくれるでしょう。 (インタビュー・構成/松永華佳)
ハイパー・アマチュア吹奏楽団
中の人は、アマチュアオーケストラで打楽器をやっています