筆者は、初めてこの曲を聴いたとき、むしろ第1楽章にイタリアの作曲家ロッシーニ(1792-1868)のオペラの序曲の影響があるのではないかと感じました。特に主部の第2主題は、ロッシーニが1812年に書いた「幸福な錯覚(L’inganno felice)」という歌劇の序曲(同年トランペットを加えて「バビロニアのキュロス(Ciro in Babilonia)」という別の歌劇の序曲に転用)にそっくりだからです。(このことは筆者が調べた資料等にはなく、あくまで個人的感想です。)このオペラは、1816年11月にロッシーニのオペラとして初めてウィーンで公演され、ウィーンにおけるロッシーニ・ブームの火付け役となっています。