フィリアホールにはこれまで多くの「チェロの巨匠」が登場してきました。ミッシャ・マイスキーやミクローシュ・ペレーニなどモダン・チェロの巨匠、クリストフ・コワンのようにピリオド楽器とモダン楽器を使い分けて独自の探求を行う求道者、そしてジョヴァンニ・ソッリマのように楽器を越えた独自の世界を創り上げる鬼才… では今回登場するイタリアの巨匠、マリオ・ブルネロはどのような位置にいるのでしょうか。
名教師ヤニグロに師事し、ジュリーニ、メータ、アバド、小澤、またクレーメルやアルゲリッチ、アファナシエフなど、錚々たる巨匠と多数共演し、世界的チェリストとして実力を存分に示した彼ですが、現在はピリオド楽器の奏法に習熟し、その可能性を探求する一人でもあります。学んだ奏法を生かして、バロック期の小型チェロ(チェロ・ピッコロ)によるバッハのヴァイオリン作品にまで取り組むなど、その挑戦的な演奏活動は、近年ますます注目を集めています。さらにその一方では、ショスタコーヴィチと親交を深めた未だ知られざるポーランド作曲家・ヴァインベルクの作品紹介に集中的に取り組み、また演奏家として親しいソッリマと共演し、現代作品の開拓にも取り組むなど、ブルネロの活動を特徴づけるのはその「圧倒的な多様さ」といえましょう。
今回の無伴奏リサイタルは、今ブルネロが国内外で最も力を入れて展開している、バッハとヴァインベルクを組み合わせたプログラム。ソ連当局に弾圧され、苦難の人生を送りつつも多くの作曲家に影響を与えたヴァインベルクのソナタと、チェロ奏者にとっての「聖典」たる絶対的なバッハの無伴奏チェロ組曲が並んだとき、私たちは、どのような想いをそこに見出すことになるでしょうか?
プログラム
出演者
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マリオ・ブルネロ
チェロ
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入場料S7500円A7000円
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