ガムラン曼荼羅に寄せて 森重行敏 (パラグナ・グループ)
ガムランは青銅製打楽器による合奏である。地域による差もあるが、ペロッグという沖縄風の五音音階と、スレンドロという半音の無い五音音階に大別される。「ガムラン曼荼羅」では西ジャワ(スンダ)のドゥグンと呼ばれるガムランが使われ、本来のペロッグ系の五音音階ばかりでなく、追加音によってスレンドロ風の音階とが一曲ごとに交互に演奏される。中央に置かれた大ゴングの周りを大小の楽器が取り囲み、曲ごとに低音部から順に反復が積み重なり、次の曲では高音部から重なるなど、あらゆるところが対照的な構造になっている。一切即興的な余地はなく、ひたすら緻密な織物のように音符が重ねられていくが、ガムラン特有のやや不規則な音律により、発せられる音には必ず歪みが生まれる。この作品の生き物のような魅力はここにもある。初演以来、異なる会場や楽器により毎回様々な印象を与えてくれたこの作品に、今回一対となる新作が生まれる。左右両界の曼荼羅からどんな世界が立ち上がるのか、演奏者としても期待している。
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