ラヴェル「亡き王女のためのパヴァーヌ」
1899年作曲のピアノ曲で、1910年に管弦楽版に編曲。ベラスケスの「マルガリータ王女の肖像画」からインスピレーションを得た。一般には高評価だったが、音楽家や作曲者自身は批判的だった。しかし晩年の記憶障害時に聴いて「美しい曲」と評価した逸話がある。
チャイコフスキー「スラヴ行進曲」
1876年、セルビア傷病兵救援のための慈善演奏会用に作曲。帝政ロシア国歌を引用するが、同じスラヴ民族のセルビア支援の意図もあった。セルビア民謡「明るい太陽よ」の哀愁ある主題から始まり、最終的には勝利を確信する大団円で終わる。
マーラー交響曲第5番
1902年完成。マーラーにとって最も幸福な時期の作品で、妻アルマとの出会いから結婚までの心境の変化が楽章ごとに描かれている。第1・2楽章は苦悩、第3楽章で有頂天、第4楽章「アダージェット」でアルマへの愛を表現、第5楽章で結婚の喜びを全て長調で描く。マーラーの音楽は極端に好き嫌いが分かれるが、楽譜に忠実な演奏により壮大な世界観を表現できるとしている。
2024年10月02日 23:00