東京春祭ワーグナー・シリーズ vol.17《さまよえるオランダ人》(演奏会形式)
2026年4月7日[火]18:30開演(17:30開場)
東京文化会館 大ホール
出演
指揮:アレクサンダー・ソディ
ダーラント(バス):タレク・ナズミ
ゼンタ(ソプラノ):カミラ・ニールンド
エリック(テノール):デイヴィッド・バット・フィリップ
マリー(メゾ・ソプラノ):オッカ・フォン・デア・ダメラウ※
舵手(テノール):トーマス・エベンシュタイン
オランダ人(バリトン):ミヒャエル・クプファー=ラデツキー
管弦楽:NHK交響楽団
コンサートマスター:長原幸太
合唱:東京オペラシンガーズ
合唱指揮:エベルハルト・フリードリヒ、西口彰浩
音楽コーチ:トーマス・ラウスマン
春祭のワーグナーシリーズは初めて。
去年、春祭で、演奏会型式の蝶々夫人とこうもりを聞いて、意外に悪くないかも、という感想で、今年も春祭のプログラムは楽しみにしていた。
1)さまよえるオランダ人
個人的にはワーグナーは好きなんだが、公演は新国立でのマイスタージンガーしか見たことなくて、結構楽しみにしていた。
今回は、休憩なしの1幕形式での演奏であり、途中で抜けてしまっていた人もちらほらといた。
ワーグナーの本来望んだ形式が1幕休憩なし演奏だったらしいので、これは特に違和感はない。
現在、さまよえるオランダ人には、1841年版の初稿(救済のない形)と1880年版の改訂版(救済のある形)があるとされているけど、今回の演奏は、原則として改訂版に準拠しつつ、序曲の終結部と終幕において救済の動機を伴わない初稿形を採用したということのようである。
確かに、最後は、唐突で、オランダ人がゼンダの身投げによって救われた感が出ておらず、緊迫感と解釈の余地を残す、そんな終わり方だった。
2)ソディ/N響
ソディは楽しそうに振る人だった。軽快なテンポで、エネルギッシュに、2h5分〜10分程度ダレずに振り続ける。
そして、N響は、めちゃくちゃ鳴りますね。
とにかくすごかった。
基本的に、恐怖、おどろおどろしさ、エネルギー、怨念、みたいなものを表現しないといけないので、結構音が鳴ってるのを実感。
3)歌手陣
とにかくすごかった。
特にゼンタ役のカミラ・ニールンドが圧巻。
ニールンドは、去年のばらの騎士で侯爵夫人を演じていた時にも素晴らしかったが、今日も声量、表現、何もかもが素晴らしい。特に弱音でも聴かせる通った声が素晴らしかったが、強音での声量は圧倒。
オランダ人役のラデツキーは基本的に掛け合いではずっと声量を抑えめであったので、声の細い人なのかと勘違いしそうになったが、最後のソロだけフルで歌っていたので、ずっと押さえていたことがわかる。
ダーラント役のナズミは、雄大だった。金に目が眩んでオランダ人に娘を差し出す、言うてみればコミカルな役なはずだが、結構堂々としていて、印象が少し変わる。
エリック役のフィリップと操舵手役のエベンシュタインもマリー役のダメラウも安定感抜群で色を添えていた。
コーラスは最高だった。
結論、行ってよかった。
演奏会形式だと、舞台美術も衣装もないので、純粋に音楽と歌で景色を想像させるというところが難しさだと思うが、結構わかるものだなぁ、という感じ。
2025年05月02日 07:17