現代音楽の巨匠、ジェルジ・リゲティ生誕100年となる2023年から没後10年にあたる2026年まで、各年1回「ジェルジ・リゲティ生誕100 年記念レクチャー&コンサート」(vol.1~vol.4)を開催いたします。
ハンガリー系オーストリア人のリゲティ(1923-2006)は、戦争と動乱の時代でもあった20世紀に何度も死に直面しながらも生き抜き、作曲技法や様式を超えて新たな創造の可能性を模索し続けた現代音楽の作曲家です。1980年代後半のリゲティの作曲クラスでは、ダグラス・R・ホフスタッター著の『ゲーデル・エッシャー・バッハ』が多く議論されており、リゲティ自身が「私がもっと若ければ情報処理に身を沈めて音楽を作ってみたかった」と語っていました。当時は人工知能の第二次ブームであり、リゲティは情報処理=AIに大きな可能性を感じていたと考えられます。
[レクチャー&コンサート]
今回Vol.3のレクチャーでは、ハンブルク音楽大学でリゲティの門下生であった作曲家のたかの舞俐氏、古川聖氏をはじめ、ドイツからは同じくリゲティ門下生のゲオルグ・ハイドゥ氏、フベルトス・ドライヤー氏を招聘し、当時の作曲クラスで交わされた「人工知能」や「フラクタル」に関する議論に焦点をあて、リゲティの作曲家としての軌跡を辿ります。
リゲティの《ピアノの為の練習曲》のいくつかの作品は、コンロン・ナンカロウ作曲の《自動ピアノのための習作》と関連性があります。コンサートでは、古川聖氏の尽力で東京芸術大学よりディスクラビア(自動演奏ピアノ)を借用し、ディスクラビアと人間との双方で演奏します。また作曲クラスでリゲティが語った人工知能やフラクタルへの夢を、その後それぞれの創造活動に反映した門下生による作品も演奏します。
当時すでに60代半ばであっても、リゲティは常に飽く事なく新しいものに興味と情熱を注ぎ、また未来の社会、文化のあり方をも予感していたのではないでしょうか。
このようなリゲティの遺した作品や言説は、リゲティ自身が幼少期から過酷な体験を強いられた人生を「生き抜いてきた力」を源泉とするアドバイスであり、現代の不安定な社会情勢に生きる私たちにとっての指針ともなり得るものです。今回のレクチャー&コンサートでは、リゲティという大作曲家の創作家としての姿を提示し、次世代に伝えていきたいと考えています。
プログラム
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■第1部 レクチャー 18:00~19:00(開場17:30)
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「リゲティとコンピュータ」(データ処理の世界への憧憬)ゲオルク・ハイドゥ氏をむかえて
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■第2部 コンサート 19:15~21:15
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~休憩~
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[第1部 レクチャー]18:00~19:00(開場17:30)
◆司会:髙久暁
◆パネリスト:ゲオルク・ハイドゥ 古川聖 たかの舞俐 フベルトス・ドライヤー
リゲティは自然科学に大きな関心を持ち、作曲のクラスでも弟子たちと人工知能やフラクタルについて議論を行っていた。その一人でハンブルク音楽大学教授ゲオルク・ハイドゥ氏をドイツから招聘し、討論を行う。
[第2部 コンサート]19:15~21:15
*はディスクラビア演奏 **はディスクラビアと演奏者による演奏
出演者
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入場料自由席3500円
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