3人から始まった物語——アンサンブル・アサヒが描く「垣根のない」地域に根ざした音楽
会場の照明が落ち、コンサートの始まりを告げるチューニングが始まったその瞬間。静まり返ったホールに、元気な赤ちゃんの泣き声が響き渡りました。
普通のクラシックコンサートであれば、少し緊張が走る場面かもしれません。しかし、横浜市旭区を拠点に活動する「アンサンブル・アサヒ」のステージでは、そんなハプニングさえも「ほっこりする一幕」として温かく迎え入れられます。
「どなたでも気軽に、気兼ねなく音楽に触れてほしい」
そう語るのは、団長の吉澤隆弘さん。2020年、未曾有のパンデミックの中でわずか3名からスタートしたこの楽団は、今や30名近くの仲間が集う場所となりました。車椅子の来場者も、小さなお子様連れも、誰もが同じ空間で肩を並べてハイドンやモーツァルトに耳を傾ける。そんな「理想の風景」を形にしつつある彼らの歩みを伺いました。